繪ハガキ競技會記事
『みづゑ』第一 P.16
明治38年7月1日
五月二十一日第十二回開會、出品者客員會員合せて三十二人出品數百十九枚選票の結果左の如し
課題 音(意匠)緑(技術)
一等 火の番小林福太郎森澁谷潔
二等仲の町大田南岳景色鵜澤四丁
三等梳の音堀内汎景色大田南岳
四等笛の音山田全一リボン千葉某
五等 水の音澁谷潔景色 巌谷夾口
六等水の音巖谷夾日若楓三條某
七等雷鳴篠原氏重景色瀧島利三郎
八等雷鵜澤四丁景色金兒貞
九等電話干葉某景色堀内汎
十等杵の音瀧島利三郎景色山田全一
以下略
意匠の二等は重々しき木履の音にて、四等は月夜淋しき按摩の笛、五等、六等、共に蛙飛込む水の音、七等の雷鳴は蚊帳に線香、九等の電話は新らしき趣向なりし、客員巖谷小波氏の「定齊」は投票濟みて後着せしが、意匠として奇抜のものなりき。
六月課題五月雨(意匠)竹(技術)
七月刹那(意匠)橋(技術)
二十日〆切七月二十三日開會
▲繪葉書課題に奇警なる御思つきあらば出題せられたし