寄書 手製の三脚床几
今永英世
『みづゑ』第四
明治38年10月3日
三脚の必要は毎度感じるのですが、東京から取寄せるのも高價につくし、土地には賣つてゐません、因ていろいろ工風の上、妙な道具を案出しました、御同感の諸君の御參考迄に御報致します。
まづ餘り太くない一尺五寸位ひの丈夫な竹を三本とつて、上から五寸位ひの塲所を針金線で強く固く結び、脚を三方に擴げて、上に出來た三端には、一尺四方位ひの稍厚い板を置き、丁度其竹の端の上に、五寸釘の自由に通る程の穴を穿ち、其穴より竹の中へ釘をさして板の辷らぬやうにします。釘さへとれば.自由に疊めて、持運びにもさして不便ではありません。
このやうな投書を歡迎いたします(編者)