近事雜聞


『みづゑ』第六
明治38年12月3日

△上野五號館に開かれしスケッチ、ヱハガキ展覽會は、東京神奈川各學校生徒及素人團體の製作を集めしものにて、大小千枚に近く、中には專門家を凌ぐ程の逸品少なからず、成績も良好なる由にて、猶來年も引續き開會すべしといふ。
△谷中眞島町に新築されし太平洋畫會研究所は、去月六日より授業を始めたり。且同町にては、新に水彩畫科を設け、此程上京されたる、丸山健策氏主として教授さるべく、本會の大下氏も一週一回出席して其業を補けらるゝ筈なり。
△猶神田附近に支部を設け、毎週日、土兩日、專ら素人畫家の爲めに短期修業の道を與ふべく、科目は墨畫、水彩畫、遠近法、色彩の理論其他にして、明年一月頃開校の運びに至るべしといふ。

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