寫生中の出来事その二
『みづゑ』第七 P.11
明治39年1月3日
後から足音がして立留まつたので、きつと彼方で寫生してゐる友人が來た事と思つて、丁度腹が北山だつたから大聲で『君辨當にしやう』といつたが、返事がないからよいと振返りて見たら、それは知らない他處の人で、にやつと笑はれたのには、少々極りがわるかつた。
『みづゑ』第七 P.11
明治39年1月3日
後から足音がして立留まつたので、きつと彼方で寫生してゐる友人が來た事と思つて、丁度腹が北山だつたから大聲で『君辨當にしやう』といつたが、返事がないからよいと振返りて見たら、それは知らない他處の人で、にやつと笑はれたのには、少々極りがわるかつた。