繪ハガキ競技會記事


『みづゑ』第八
明治39年2月3日

 車(意匠)
 一等からかさ高畑哲五郎
 二等火の車須崎俊治
 三等車曳牛木勇
 四等甲車止山崎公平
 四等乙荷車瀧島寛水
 五等車蝦三上卓之助
 六等甲御所車榎本滋
 六等乙水車堀内凡水
 七等甲車曳山田全一
 七等乙傘丸山廉
 八等飛車金江龜
 九等汽車野口六三
 十等花車三條千代子
 十一等矢車呉文炳
 十二等車座後藤百次
 十三等滑車村上英雅
 十四等甲自轉車大橋三平
 十四等乙水車小林珠郎
 十五等甲自轉車横田順三
 十五等乙女自轉車河野竹子
 煙(技術)一等枯野の煙山崎公平
 二等甲ストーヴ三條千代子
 二等乙勝手元瀧島寛水
 三等落葉鵜澤四丁
 四等農家横田順三
 五等甲水煙榎本滋
 五等乙汽鑵車飛鳥井信
 六等甲舟の煙相田寅彦
 六等乙夕煙堀内凡水
 七等甲煙草盆野口六三
 七等乙焚火津雲孝
 八等野の煙佐藤清
 九等野中の煙小林珠耶
 十等甲圍爐裏須崎俊治
 十等乙泊舟犬飼荘水
 十一等小屋の煙井上清一
 十二等庖の煙牛木勇
 十三等夕煙村上英雅
 十四等甲煙草後藤百次
 十四等乙マツチ高畑芳柳
 (以下略)
 十二月二十六日開會、出品者四十六人、出品數日七十六枚、選評の結果上記の如し。
 意匠の一等は石版畫の示す如く簡潔にして繪ハガキの體を供へたり二等の苦心は大に察すべく三等は色の調和穏やかにして面白く八等の將棋の駒は思つき奇抜なりしも繪の描方臆病なりしは惜むべし十二等も意匠はよかりしが明るき色の紅は他の色と換へたかりし。
 煙には二等の甲及乙七等の甲十等の甲十二等の數枚を除いては眞面目に熱心に煙りを寫生したと思はるゝものなく十等乙の如きは他に臨本ありし樣に思はる總じて意匠に比して技術は劣れるが如し。
 二月課題午(意匠) 自己の考案に限る。
 梅(技術) 寫生を貴ぶ。
 二月二十日〆切
 同二十五日開會
■臨時増刊に出すべき水彩畫稿の募集は三月十五日迄延期す

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