受験者のために
『みづゑ』第八
明治39年2月3日
◎師範、中學、高等女學校の圖畫教員檢定試驗を受けんとする方から種々御照會がありますから、爰に其手續の要領丈けを御知らせします。詳細の事を知りたい方は東京牛込區市ケ谷富久町九十九番地眞野紀太郎氏宛にて返信料を添へ御問合ありたし。
◎檢定試驗の出願期限は毎年五月三十日にして、教員檢定願に履歴書并ひに醫師の作りたる身體檢査書を添へて、地方廳を經て文部大臣宛に差出す事。
◎手數料は金三圓。
◎受驗科目は毛筆畫、用器畫。或は鉛筆畫、用器畫の二部で單に用器畫のみの試驗を受くる事も出來る。
◎試驗を受くる科目は、鉛筆畫では石膏若くは鳥獣の剥製の寫生、○彩色の大意、○圖案、○用器畫法(平面幾何畫法、投影全部、透視畫法)○教授法等である。
◎寫生は正しく輪廓がとれて、手際よく影がつけられゝはよい。彩色の大意も圖案も從來は簡單なものであつた。
◎用器畫法は一番大切である、これが爲めに年々出願者の四分の三は排される、夫故志望者は充分用意せられたい。
◎教授法は是迄教育に經驗のある人には格別面倒でもあるまい、たゞ氣後れのせぬやうに用心すればよい。
◎若し次號に餘白があつたら去年の豫備試驗問題を示しませう。