讀者の領分


『みづゑ』第八
明治39年2月3日

 注意 長文及水彩畫に無關係のものは御斷り。
◎印は編者の答。投書の要點のみを掲ぐ
■1大下先生の御寫眞を挿入されたし。2言文一致は稚氣あれば文體を變へられたし。3相當の頁數を加へて五號活字に改められたし。4エハガキ會の結果を其翌月の誌上に發表されたし。5會費は出席せざるものは返送料二錢とせられたし(豐多摩みどり生)◎1いづれ幹部の人々集合の上撮影して御覽に入れませう。3活字の小なるは寧ろ本誌の特色ですから改ぬつもり。紙數は其内増加する計畫。4寫眞版が間に合ませんから實行致されません。5改め兼る事情があります■水彩エハガキ交換を願ふ拙筆なれど必ず答禮致します(松山市松前町五、三浦方籔唐坊)■彩色石版に人物及草花なども出して下さい(同人)◎時々出す積りです■『みづえ』の六は三度讀み返したが興が盡きぬ此後もあのやうなものを時々御出し下さい(中の島華江)■1どの雜誌も初刷は立派だが『みづゑ』は御話にならぬ。2『みづゑ』に歌とか俳句とかいろいろ注文があるが僕は大反對。3外國の水彩畫の雜誌を御紹介下さい(敦賀O、Y生)◎1商賣雜誌と同樣に御覽なさらぬ樣に。3外國に水彩の專門雜誌はあるかも知れませんが編者は存じません、水彩畫の入つてゐる雜誌も澤山はありません■風景畫帖は印刷の立派なのと臺紙のよいのと畫の面白いので氣に入った、何卒第二集第三集と續々御發行を願ひます(濱松紫生)■『みづゑ』は毎月延着又にニケ月分纒まつて來ますが出版が遅れるのですか(濱田、玉水)◎『みづゑ』の發行は毎月三日より遅れた事がありません、直接に御購讀下さい、●僕は摩耶の東麓で淋しく『みづゑ』と暮す一人です、朝に草を刈り夕べに牛を逐ふ一寒生に過きませぬが以後御風交を願ひます(攝津武庫郡西ナダ村岩屋中臺生)■應募畫に色の説明を附せられたし□應募畫は技術を主とするものは題隨意とせられたし(水鳥生)■美術雜誌の寸評を試みやう○『光風』立派なる事此上なし但繪には通がりが多く記事は高尚で解らない○『月刊スケッチ』あまり手が廣がり過るハガキ文學とは競爭は出來ない○『日本美術』少しも進歩しない、嬉しいのはコロタイプの挿繪ばかり○『美術新報』十年一日の如し○『洋畫講義録』糊と鋏で出來たもの○『平旦』氣が利過て間が抜てはゐまいか○『みづゑ』廣告でも盛んにして活溌にやり給へなんだか齒痒ね(駒込迷鳥)■妾と水彩エハガキの交換をして下さいな幼稚ながら屹度返信致します(千葉縣君津郡中村茅野喜代子)■近刊の雜誌に大下先生の肖像を御載せ下さい(遠近すな子)◎みどり生への御答の通り■小生如き無財産のものは學校や新聞社へ出ずに畫家となつて世に立つ事は出來ますまいか(大阪△△)◎何れにしても畫家として世に立つは困難ですから御熟考の上に御極めなさい■日本筆の少しは古いのでもよく洗つて毛を撫で上け卷煙草の蝋付のパイプを適宜に切って強く差込んで使へは水彩畫筆と同樣に使用される(長野小池生)●水彩畫に金泥や銀泥を使用した方が兵服などの塲合實物と同樣でよいと思ひますがどんなものでせうか(石見孤崖生)◎飾装畫なら差支はありません風景や人物の實寫の塲合には應用が出來ません畫は平面に畫くものですから金や銀を塗っても其やうには見えません■スケッチ説明尤も有益、寫生用具の説明も御出し下さい、次に問合せはハガキでよろしきや◎往復ハガキに願ひます■風景畫帖の第二集御發行を希望します(松本竹水生)(宇都宮大橋生)(京橋KK)■寫生中何か食べて居ると集まつて來た人も去つて仕まふ少々體裁はよくないがやつて見給へ(孤崖生)■1四五頁増して講話を多く載せて頂きたい。2繪畫鑑賞法を登載されたし。3ワツトマン十六切位の水彩畫交換の勞をとられたい。4臨時増刊を早く(京都北村生)◎1計畫中。2鵜澤四丁氏の飜譯されしもの近日出版の筈。3當分見込なし。4三四月頃必ず(他は次號へ)

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