受驗者のために
『みづゑ』第十
明治39年4月3日
◎中等教員檢定の本試驗昨年の問題は左の如し
第十九回(三八年十一月)
圖畫科本試驗
注意女子部ノミノ志願者ニ限リ左ノ五題ノ内任意一題ヲ省クコトヲ得
一、任意ノ角度ヲ以テ各畫面ニ傾斜スル平面ト其面ニ接スル直徑一寸四分ノ球ヲ投影セヨ但シ平面が基線ニ並行ナル塲合ト否サル塲合トヲ畫ケ
二、第一圖ニ於ル相貫躰ノ投影ヲ完成セヨ
三、第二圖ニ於ケル相貫躰ノ投影ヲ完成シ併セテ錐躰ノ開展圖ヲ求ム
四、別紙二第三圖ヲ二倍スルモノヲ畫キ之ニ蔭影ヲ施セ
五、二寸三分ノ立方躰及其中心ヲ貫キ相互ニ直角ナル三箇ノ圓柱(各直徑二寸長三寸四分)ヨリ成ル相貫躰ノ透視圖ヲ作レ但シ視點ハ物躰ノ左方若クハ右方ニ在ルヲ要ス而シテ其高及畫面ヨリノ距離等ノ如キハ總テ任意トス
鉛筆畫本試驗問題
着色寫生
是レハ硝子器二蜜柑ト柿トヲ盛リアルモノト「ビール」ノ徳利トヲ適宜配合シテ水彩寫生ヲナスモノナリ
鉛筆寫生
廿二三歳ノ婦人ノ「エビ茶」袴ヲ着シ立テ居ルヲ鉛筆デ寫生スル者(全身)
教授法
但シ四題共口答
一、普通教育圖畫科ニ於テ圖案ヲ科スルハ何故ゾ
二、剥製ノ鴨ヲ置キ是ヲ寫生セシムルトキノ注意
三、投影畫ニ於テ細キ太キ線ヲ用ユルハ何ノ爲カ
四、圓柱躰ト圓錐躰トノ陰蔭ニ區別アルハ何故ゾ