問に答ふ


『みづゑ』第十三 P.20
明治39年6月3日

■見取枠を立つるには如何にせば一番便利なるか、且つ眼との距離は幾何位が適度か(山梨灯煙)◎正しく手に持つが便利で眼との距離は其枠の大きさによつて一樣ならず普通二寸に三寸位ひの枠(内部)なれば眼より一尺程離せば視角を出る事なからん■1硬き繪又は軟き繪とは如何なる繪を意味するや2色彩の不調和なる繪とは如何なる者なりや3外國にて發行せる美術雜誌の定價及發行所を問ふ4ローヤルアカデミーの畫集は定價何程也や(京都霞峯生)◎1硬き繪とは前號に答へし通り軟き繪とは其反對何れも其極端に走るはよからず2見て甚しく眼を刺激する者或は華美な色や沈んだ色の配置よろしきを得ぬもの要するに不自然なるものを指す3TheArtInterchange35ONewYork.L'ArtPratiqueFc1.25Munich.TheStudioIsLondon.L'ArtDecoratifParisGazettedesBearz-Arts.TheMagazineofArt35cLondon,NewYork.DieKunstFurAppe3mcoptgmunechenBrushandPencle25cChicago,TheArtistLondon.TheBrochureBoston.RevueIllustreeParis4定價一シクリング丸善にて多分六十五錢尤も大形の上製は四五圓と思ひます詳しくは丸善に問合されたし■水彩畫着色の際繪の具を混合するに一色毎に筆を洗ふべきにや(KH生)◎明るき色より暗き色に及ぼす際には一々筆を洗はぬもよき場合あれど繪具の清潔を望むなら洗ふ方よからん■圖案畫に金色銀色を用ひ度候が金泥銀泥とは如何なるものにや直ちに用ひ得べきや(S.H)◎普通彩料舖にある棒状若くは泥状の品は其質よきもの稀なり、金銀粉を求めて板ニカワにて融かし用ふるをよしとす■美術新書、洋畫手引草、油繪山水訣、繪事三要、畫法自在、水繪具誌等の發行所定價郵税等を知りたし(高知森本)◎美術新書、油繪山水訣、繪事三要等何れも絶版、洋畫手引草は本郷湯島切通坂町畫報杜發行送料共七十四錢、畫法自在日本橋博文館送料共二十六錢、水繪具誌神田表神保町文房堂送料共二十二錢

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