『みづゑ』第十六 明治39年9月3日
削りなす岩は茂をのぞきけり 風もたぬ葉柳は瀞に沈みけり 將軍の笑みし樣なり夏の山 河沿ひの道にこぼるやれむの花 風雅なり馬背にねむをおりてゆく 谷越して駒鳥の啼きけり離れ山