夏期講習會日誌


『みづゑ』第十七 P.13
明治39年10月3日

 八月四日講師眞野大下兩氏及會員の過半數豫定の宿舎なる青梅町坂上に集る○今日迄の出席申込者中井久多郎、吉川恭平、鈴木一治、中村利一、赤城泰舒、長谷川曾一、飯田宗吉、後藤仲次、牧野康強、鹽野正重、藤田喜久造、和田義三、栗原庄太郎、横田順三、宮澤爲二郎、志賀正人、比奈地利八、小宮盛海、鳥海貞三郎、加毛精一、小室恭介、關根亮吉、島崎信太郎、三枝欣二郎、田中廣三郎、山崎照二、瀬沼孝一、瀬沼寛二、清水正次、兩角團次、津雲孝の三十一人○會塲を青梅小學校とす○午前七時より十時迄靜物寫生十時より十一時迄講話午後三時より日没迄戸外寫生と定む
 五日モデル台を二箇所に作る○材料野菜○透視畫法講話○午後大柳河原寫生
 六日材料山百合の花、野楽と笊○今日より靜物寫生を七時より十一時迄とす○遠近法講話○午後琴河原寫生
 七日静物畫材料百合と三脚、帽子と槿花○透視畫法講話○午後金剛寺境内寫生○講師大橋氏來着
 八日材料瓶と花○透視畫法講話○午後千ケ瀬寫生○夜七時より茶話會を催し十一時散會
 九日北斗山下にて寫眞を撮る○材料瓶と花、朝顔○透視畫法講話○午後金剛寺及千ケ瀬寫生○講師丸山氏來着○講師眞野氏歸京
 十日材料紅百合、畫嚢○水彩畫講話○午後千ヶ瀬寫生
 十一日材料紅百合、茶器○水彩畫法講話○午後千ヶ瀬寫生
 十二日材料挑灯、グラス○水彩畫法講話○午後千ヶ瀬寫生
 十三日材料野菜、莨盆○水彩畫法講話○午後千ヶ瀬寫生
 十四日材料兜、書物○大雨につき午後透視畫法及水彩畫法講話
 十置日材料兜、團扇○水彩畫法講話○午後鹽舟村寫生
 十六日材料兜、月琴○水彩畫法講話○午後北斗山寫生○講師丸山氏歸京
 十七日材料兜、月琴○透視畫法講話○午後秋葉山寫生
 十八日材料兜、○透視畫法講話○午後秋葉山寫生
 十九日材料兜○透親畫法講話○午後雜話
 二十日材料兜○透視畫法講話○午後千ヶ瀬寫生○丸山講師來着○大下講師歸京
 二十一日拂曉千ケ瀬寫生○材料兜○午後千ケ瀬寫主
 二十二日拂曉琴河原寫生○午後千ケ瀬寫生○夜分水彩畫法講話
 二十三日裏宿邊寫生○有志四人御嶽へ行く○午後千ケ瀬寫生
 二十四日大雨○午前雜話○御嶽行連中歸る○夜分デサイン講話
 二十五日成績品陳列惣評○午後繪ハガキ競技會を兼ね懇親會を開き席上寫眞撮影をなし散會

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