『みづゑ』第十七 P.20
明治39年10月3日


 ◎繪畫講話橋元春郊譯
 小石川區久堅町日本葉書會發行
 四六判三五四頁六十五錢
 美術學者を以て世に知られたる米國ヴアンダイク氏のTHE MEANING OF PICTURESを譯せしものにして、名畫十一葉を挿みたる美本なり。章を繪畫と寫實、繪畫と個性、繪畫と想像、繪畫的詩歌、繪畫と装飾、畫題論の六つに分ち、繪畫の何物たるかを論する事頗る詳細を極む、書中往々肯首し難き節なきに非れど、繪を好むものゝ必讀の書なるは勿論なり。たゞ惜むらくは、校正頗る粗雜殆ど毎一頁毎に誤植あり、敢て編者の注意を望む。
 ◎寫眞例題集第三十巻
 大坂心齋橋通桑田商會發行
 コロタイプ寫眞版十葉綴三十錢
 例によつて美しき印畫のみを集めたり、就中遊禽、晩夏、綱漁の三圖は大に氣に入つたり、吾人は此集の一巻毎に材題新しく進歩を怠らざるを喜ぷ。

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