讀者の領分


『みづゑ』第二十一
明治40年2月3日

■金拾圓程の寫眞器をスケツチ箱(九ツ切)に金四圓程つけて交換して呉れませんか、寫眞器には三脚、取枠、藥品等附属品を皆つけて差上ます、箱と金と着次第寫眞器を送ります(芝三田四丁目七、金子保)■僕は初學者ぢやないと云ふたら生意氣な事を吐すなといふだろーが、全く初學でも何でもない、或る本に日本でも有名な大家が「吾々初學者が」と云ふてゐるコー云はれると我々は實際居所がなくなるではないか(陸前K、Y生)■忠實なる水彩畫鉛筆畫スケッチ交換を望む、但紙幅は相互ワットマン十六切を用ひボール紙を重ね袋入として送付すること(秋田縣河邊郡和田小學校内高橋松治)■諸君毎度ですが自筆水彩繪葉書を交換して下さい、僕には大そう有益であつた、但畫面に字なきを望む(播磨國明石郡垂水村多聞村栃木春翠)■此次の臨時増刊には白紙にして定價を高くし、石版も立派にし、諸先生のお話かなにかを所々に入れて貰いたい(陸前K、Y生)■『みづゑ』の表紙は今迄一度も感心しません要するにアマリにクラシックです美術雜誌の表紙としては醜の極と考へます

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