支那人と色彩


『みづゑ』第二十三 P.12
明治40年4月3日

○紅色吉、賀、祝等の場合に好んで用ふ、特に結婚の際は專ら此色を用ふ。
○黄色帝室用として、皇室以外は滿洲僧侶及道者の外は使用を許さず。
○青色黒此兩樣は上下差別なく用ふ。
○藍色一般に廣く用ふ。
○紫色官吏紳商等は藍色と併せ其衣服に用ふ。
○灰色大商人は藍と併せ用ふ、小商人、一般の身分なきものは共に此色を用ふ。
 此外
○湖月色(淺黄)。洋妃(とき色)。葵緑紳月等好んで之を用ふ。
○石青(紺)。羔緑(濃緑)。桃紅(桃色)。荷灰(銀鼠)等も好む。
○白色不祝儀の色彩にして、獨り祭葬の場合に用ふ。故に家具其他にても如何なる木質のものも必ず色附けするを常とす云々。
 右は重に北清貿易上の注意として、大平洋に掲載せられしものなれど、一寸面白ければ抜萃したり。

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