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『みづゑ』第二十四
明治40年5月3日

□本年の夏期講習會は其一部を大阪附近に開き度、場處を住吉若くは尼ケ崎とし、會期は八月初旬より凡そ二週間、課目は墨繪、水彩畫の類、會費は記名料講習料合せて貳圓若くは三圓程、これは講習生の數によつて今より定め難く候。
□本會に於て開催する講習會は、趣味の普及を第一の主旨と致候事ゆへ、講師の報酬などは元より豫算外、たゞ收支相償ふことを得ばそれにてよろしく候。併し大阪の如き遠地に出張致候には、費用も少なからず候間、若し會員あまりに少數なるときは開催致兼候。
□故に讀者諸君にして、出席御希望の方は正式の申込は後として、假申込書を本會へ宛て御送付有之度候。本會は其人員の數により開否を决し可申、開催と極まらば直ちに規定を發表可致候。
□講師たるべき人々は、常に多忙を極め居且夏期寫生旅行等を試むべき時間を割いて講習に從事致候事故、讀者諸君に於ても、なるべく憤發して出席有之度、地方より態々來會せらるゝ諸君の爲めには、相當の宿泊所を本會に於て交渉致し置可申候。
□講習は個人々々に教授致候事故、極めて初學の人にても入會差支無之候又講習會を終りし後は、水彩畫の展覽會を開くべき豫定にて、參考品等も多數持參致す筈に御座候。
□本會々員及本會地方講習生は記名料半額たるべく候
□豫て御賛助を仰ぎし水彩畫研究所は、いよいよ建築に着手致候。諸事結了後は更めて御報告可申上候。
□箭號に御約束せし吉田博氏のアルハンブラの話は、あまり水彩畫に關係無之候由に付掲載を見合せ申候。
□次號の口繪は丸山晩霞氏の信州の夏景色を御紹介可致候

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