晩霞 『みづゑ』第二十五 明治40年6月1日
自然は我等の師である、自然の與ふる美に就てその美の依て起る源を研究すると、自然は吾人に最も興味ある秘め事をも明らかに教ゆるのである。繪畫の興味は言葉を以て傳へる事が出來ぬ、繪畫の趣味はこんなものであると示しても趣味なき人には解する事が出來ぬ、斯くの如く無圖かしき教育も、自然に親しむものには施してくれるのである(晩霞)