讀者の領分


『みづゑ』第二十五
明治40年6月1日

■一『みづゑ』彩色版寫眞版とも原畫の寸法を御記入下さい。寸法面倒なら何くつ切と丈けでも二『みづゑ』二ヶ年一大水彩畫附録てふな事は叶ませんか、大下先生筆精巧無比といふやうな(兵庫MY生)◎一二十四の口繪は四ツ切、本號は二ッ切、中の石版圖案は何れも原畫と同一大、二多忙なのと會に金のないのとで一寸ムツカシイ事と思ひます■博覧會の繪を見て平生の文章や噂で水彩畫家を想像すると、発づ春鳥會ては、大下先生はやさしい方、丸山先生は面白い方、河合先生は靜かな方、大橋先生はチト分らないがまあおとなしい方、夫から三宅先生はむづかしい方、石川先生は無邪氣な方、他の先生方はとても分らない(田舎者)■諸君永く失禮、僕は四月八日にサガレン島ヘゆきました、ハガキ一枚出すのにも數里を行かねばならぬ不便の地ゆへ、七月下旬函舘へ一歸つてから盛んに交換を願ひます、サガレン附近のスケツチを差上ます(サガレン島西海岸テモドマリ一七三號漁舎にて小島虎太郎)■諸君、東京美術學校々友會月報、平旦、光風、月刊スケツチ、明星、寫眞例題集其他地方の會の發行になる美術雜誌何號にてもよろしければ御送りを願ふ、相當の御禮は必す致します(青森縣三戸二日町五六、松尾大作)■文房堂は振替貯金で註文した品を十日經つても送らぬ、しかも一回催促をしても・・・・不都合極まる(地方會員)◎振替貯金は普通郵便より二三日遅れて來るのですが兎に角序に注意して置きませう■『みづゑ』第一と英國製水彩畫用丸形陶器パレツト(價七十錢程)と交換して下さる人は下名迄、但パレツトは無疵故『みづゑ』もあまり傷みのないものを(小樽區手宮町十五、松田新)■繪ハガキ競技會は毎月なされん事を希望す(會員の一人)■皆さんへ、自筆水彩繪葉書及ワツトマン十六切の自筆水彩畫を交換して下さい、畫面に文字なき者を(兵庫縣明石郡多聞村朽木春翠)■僕の驅け出しなる、汀鶯と云ふが大下先生の別號とは知らす、菱花灣日記を讀みながら先生が目と鼻の前にお出の事を知らずに居た、若し知つてゐたら是非御宿でもしてスケツチのお供でもしたものをと今更遺憾に堪へない、是から避暑旁房州地方に畫嚢を荷はれる先生方や會員諸君は是非小屋に御立寄り下さい、十分宿舎其他の御便宜を計ります(房州北條町六軒町白井保格)◎幹部の人々が旅行する時は其地方附近の會員や讀者にいつも一寸御通知致します菱花灣日記は本年の旅行ではありません■『みづゑ』が來た、殆とこれが癖の痙攣的に紙幣を勘定する程度の早さで一頁一頁極く雜つと見る、それから口繪を凝と見る、すると何かしら其繪に關聯した清い美はしい思想が湧いて來る、其思想の糸を手繰りたどりて迷宮の奥深く這入り込む、それが僕には非常に樂しみだ、今度のアルハンブラなどは耐らん程僕を★ばした明麿)■二十四の口繪アルハンブラを見てアービングの三人の美姫を思ひ起し美しい感にうたれました(平磯の人)

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