讀者の領分


『みづゑ』第二十六
明治40年7月3日

■繪ハガキ競技會は毎月開催されたい一には會員の交情を温め又一には各自の研究にもなる、此望みは僕一人ではあるまい、次に★木春翠君に風景の水彩を一枚送つたが何の返事もなし不信用極まる(麹町の一會員)■一口畫原畫の寸法は毎號指示されたし二遠近法の出版一日も早からんことを希望す(神戸MY生)■『みづゑ』第一より第二十迄一部金十錢にて同好者に讓りたし(京都元誓願寺大宮西入益井)■一肉筆繪畫交換に就て二葉君の意見面白し至急實行の運びに至らんことを本會主事に願上候二未見の誌友枯星中臺君の長逝を悲しむ(月艸生)◎一思ひ立つた方はスケツチブツクに會員の住所姓名を列記して送つたらよいでせう、會員の宿所姓名は入會の都度本誌に出てゐます■一大坂開催の講習會に丸山先生の御出席を希望す二ロ繪の三色版は原畫の色彩を認め難し石版にされたし三近頃の表紙はお粗末千萬是非復舊されたし(大坂龍東生)◎一開期が同じ故出席は困難ならん二現今の技術の程度にては石版にても決して原畫の色彩を示さず、且眞に力をこめたる水彩畫は其複雜なる形状濃淡色彩共到底石版にては現はし難し、但し石版の方結果よしと思はるゝものは其方を採用するは勿論なり三前の表紙は一時に三割以上も値上を申出で且到底十八、十九のやうな立派なものは出來ぬとの事、不得止石版にしたり、經濟の方が許せばドンナにでも立派にすべし當分辛抱せられたし且美術雜誌といへばとて必ずしも表紙の美しいもの許りではない、スツヂオもアートマガジンも矢張りお粗末なものである■『みづゑ』二十四は當町の書店へ參りません困ります(陸奥福岡田中生◎直接本會へ御注文ありたし■僕は大阪の講習がたのしみでたのしみで今から毎日指を折つて待つてゐる、僕と同感の人は嘸多いことだらう(關西畫狂兒)

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