寫生帖[二]


『みづゑ』第二十八
明治40年9月3日

■あまりムヅカシイので昨日は途中で欠呻が出たが、今日は長太息だ■隨分ツトめてやつてゐるのだが、先生方の熱心には殘念ながら及ばない■韓國から夫がためわざわざ來た熱心にも驚くが、毎日三里先から自轉車で通ふ人も居た■三里を三十分間で來たとは早いものだね■神戸から通はれた人もあつた■學校の控室に掻★いが入つて、パナマの帽子、買たての洋傘、新しい靴を盜んで往つた、盜まれた人こそまことにお氣の毎千萬。
 img.0901_01.jpg/淺間の裾丸山晩霞

この記事をPDFで見る