『みづゑ』第二十八
明治40年9月3日

 山嶽といへば烏水氏を聯想させる程、山嶽趣味の深き小島氏の文集で、「影富士を觀るの記」「相模野」「冬の淺間山」「日本アルプスの南半」「中房温泉の記」「燕岳及大天井岳に登るの記」「奥常念岳の絶巓に立つ記」「梓川の上流」等を含む、行文の妙は今更言ふを要せず、自然の研究に於ても他より一頭地を抽いてゐる、「日本アルプス連嶺を觀ずの記をよむに、其中著者の自然觀がある、滔々十數頁甚だ有益な文字である、敢て「みづゑ」讀者の一讀をすゝむ
◎名花百種第一輯、第二輯各四枚二十錢
◎東都花名所十二月(下)六枚三十錢
 右は何れも丸山晩霞氏の筆にして發行所は日本橋通三丁目松聲堂なり

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