神秘録[三]


『みづゑ』第二十九 P.18
明治40年10月3日

◎旅ころも文學士中邨枯林著
 京橋新肴町晴光堂
 四六細形三二〇頁四十錢
 著者の學生時代よりの紀行及び旅中の雜感を集めしものにて、遠くは松島、日光、澁、赤城、富士の邊より、近くは東京郊外の景色を寫すこと極めて親切に、往々畫筆を驅つてスケツチに苦しみし記事もありて趣深く、繪に遊ぶものには一層面白き讀物といふべし。

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