繪はがき競技會第三十三回
『みづゑ』第三十
明治40年11月3日
九月二十二日開會、三十九人百五十九枚、選評の結果上記の如し。
露の一等は圖按として色彩の配置よかりし。二等は同じく色彩に於て優秀なりしも、取材の古きは惜むべし。八等は意匠佳なりしも筆致拙なく、十二等は何かの燒直しにやとの疑あり。夕陽一等は謹嚴の色、二等は忠實、三等は夕陽の感不充分なりしも技倆他に秀いでたり。五等はセピア畫としてよく夕陽の感を現はしたり。七等は不眞面目の跡見ゆ。十等は筆致幼稚なるも、熱心の作にして將來大に有望なり。今回は意匠も技術も共に佳作多く選者の大に喜びとするところ、希くは次回に於ても一層優秀の作品を提出せられんことを望む。