問に答ふ


『みづゑ』第三十
明治40年11月3日

■洋畫家となるには如何なる學問が必要なりや(思案生)◎普通學の外に外國語、美術史、用器畫法、美術解部學の類■人體畫の研究のため參考となるべき裸體畫の好臨本又は名畫集の如きものなきや(吉田稔)◎人體畫の參考としては大家のデツサンを集めしもの良好なれど日本にては得難からん、巴里サロンの裸體畫のみを集めしヌー、ドサロンといふもの年々出版さるゝ筈なるが今は如何にや■校外寫生にゆくに畫紙を畫板につけるには如何にすればよろしきや(●●生)◎紙を表裹共海綿にて濕し、畫板の上へのせて四方の縁を固き糊をつけた細き日本紙で貼つけるのである因一意匠畫圖按畫を學習せんとせば如何なる方法をとり如何なる書によりてよきや二前號住吉の夕月の下方は水なりや柵なりや(一讀者)■一圖按畫の修養には矢張り寫生が一番よろし天然物によりて基礎を作るのであるから初學の中は植物などを正確に寫生するを要す參考書としては普通書肆に出版されしものにて良好のもの見當らず二柵なり■俳畫とは『趣味』のうちの不折氏の繪の如き一寸した繪に俳句をつけたものにや(九州生)◎必ずしも俳句のついたものと限らぬ俳趣味の繪を指す

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