果物と美

丸山晩霞マルヤマバンカ(1867-1942) 作者一覧へ

丸山晩霞
『みづゑ』第三十一 P.18
明治40年12月3日

 林檎の色は黄緑、淡黄、紅、淡江、にして、この美は近く見るにあり其他桃、梅、梨、杏、李、皆美、これ等は木に着いてゐるものよりは、各種を集めて籠に入れたもの、又は配置したものゝ方が畫として面白い、殊に畫として妙味あるは果物店、果物市場等である、これ等を寫生するには、果物の形及其色の配合を調べて光線を作り、描く上に於ては少しも人意を加えぬ樣にする。果物は四季を通じてあるものだから、其期のものを選むがよい、果實は初學の者の研究には、花と同じくモデルの好材料である(丸山晩霞氏、女性と趣味)

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