少年世界における問について
『みづゑ』第三十一
明治40年12月3日
この程少年世界で集めた現代名家幼時の記憶のうち、その最も好きであつた事」との問に對して「繪を畫くこと又は見ること」と答へられしは左の二十七氏である
伊藤銀月君、生田葵山君、萩野由之君、四村渚山君、大倉平三君、大町桂月君、大下藤次郎君、和田萬吉君、和田英作君、鎌田榮吉君、梶田半古君、横井時敬君、添田壽一君、坪井正五郎君、内藤鳴雪君、那珂通世君、中村不折君君、丸山晩霞君、松井直吉君、江見水蔭君、櫻井義肇君、佐々醒雪君、三宅雄二郎君、三宅克己君、水野繁太郎君、鹽井雨江君等
そして、「最も嫌いであつた事」の方に、算術や手習讀書などは澤山あるが、繪が嫌いであつたと答へた方は一人もない。また言ふまでもなく主筆の巖谷小波氏は幼年時代かち繪は大好物であつた