問に答ふ


『みづゑ』第三十一
明治40年12月3日

■私は將來水彩畫を以て世に立たんと思ひ居候が美術學校へ入るのと研究所へ入るのと何れがよろしきや、又油繪と水彩と何れか趣味多きや(文學博士)◎水彩畫專門家になるなら勿論日本水彩畫會研究所に入る方便利ならん。又我々は水彩は多大の趣味を有すればこそ種々盡力してゐるのである■東京發行の新聞紙にて美術上の理論雜話等又は美術界消息大家先生の御高説等日々掲載するもの二三種承りたく候(MY生)◎日々美術談など載せる新聞紙はなし、比較的多く此方面の記事に富むは、都、讀賣、國民等なり■繪具の堅くなり筆先で容易に溶けぬやうになつたのは如何してよろしきや(二葉)◎取出して茶椀に入れ湯を注ぎて暫時おくと柔らかになるべし、上づみの水を捨て、ガラスの上にて竹ベラにてよく練り、りスリン少許を混じ置くべし、汚れて居る時は取捨るより他に手段なし■我國出版の著名なる洋畫集并びに發行處定價、發行年月(川越コバヤシ)◎畫集としては時々展覽會のカタログより他になし、カタログは本郷湯島切通坂畫報社に問合はされたし■ボール紙に白と黒とのペンキ樣のものにて畫きたる畫あり一見油繪に似たり何といふ種類の繪にや(靜遠)◎見た上でなくば判らぬ

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