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『みづゑ』第三十三 P.21
明治41年2月3日

□本號の口繪は故淺井忠氏の巴里遊學中寫生せられしもの、圖はOW四ツ切大にして滿谷國四郎氏の所藏に御座候
□淺井氏は吾邦洋畫界一方の雄としてその發展に大に力を盡されしと同時に、世人が水彩畫なるものを知らざりし三十年以前に於て屡々其輕妙の筆を振はれたることある由にて、いはば水彩畫の鼻祖とも可申候、殊に近年關西地方に洋畫の趣味を普及せられ將來極めて有望なりしに一朝易簀せられしは惜むべき限りに候
□丸山晩霞氏は只今小笠原島にて寫生に餘念なきことゝ存候、同氏は多年の目的たる緑の研究のほかに、同地の風俗其他にも充分の觀察を齎らし歸らるゝ筈に付、歸京の上は南洋美觀を主題として「みづゑ」特別號を出すべく計畫に御座候
□本誌の發展については、種々相談の結果特別讀者を募る事に致候、詳しくは廣告欄にあり、苟も斯道に趣味を有し且本誌に御同情ある諸君は奮て御賛成御申込下されたく候

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