二月二日紀行の一節、畔川生
『みづゑ』第三十四
明治41年3月3日
漸くにして楡林にたどりつく、なだらかなる山に、細く長いひよろひよろとした幾千本、幹は白きもの塗りたらんと思はるゝまで美くし、極めて細くこまやかなる末枝の交れるは、離れて看る眼に烟れるが如し、蕭條たる空林の晩坐うに吟心を恰ばしむ。
白楡や冬搆へせば誰と居ん
楡山や聟に來もせば炭燒かん
(二月二日紀行の一節、畔川生)
『みづゑ』第三十四
明治41年3月3日
漸くにして楡林にたどりつく、なだらかなる山に、細く長いひよろひよろとした幾千本、幹は白きもの塗りたらんと思はるゝまで美くし、極めて細くこまやかなる末枝の交れるは、離れて看る眼に烟れるが如し、蕭條たる空林の晩坐うに吟心を恰ばしむ。
白楡や冬搆へせば誰と居ん
楡山や聟に來もせば炭燒かん
(二月二日紀行の一節、畔川生)