近時雜聞
『みづゑ』第三十五
明治41年4月3日
△日本水彩畫會研究所に於ては二月二十三日月次會を聞き、石井柏亭氏を招待して生徒成績品の批評及ひ講話を請ひたり、出品の繪畫は四十余點なりし
△美術趣味の一向振はざりし大阪に於ては今回松原氏等發起のもとに大阪眞美會なるもの設立せられ和洋畫及圖案の研究所を設け揮毫の應需、鑑定、紹介、交換、顧問、建築裝飾圖案等美術上のこと一切の取扱をなすべく事務所を同市南區鹽町二丁目に置かれたり猶聞く處によれば住友家に於ては同市に私立美術舘を設けらるゝ由。
△日本銀行内有志の繪畫會春季大會は、去月八日牛込清風亭にて催され、同時にその第二回展覽會を開かれたり、出品者は大澤藏田、小高、宮本、三井、山本、山口、石井藤本、三井所、福永、大藤、伊藤、加藤、井上の諸氏にして、出品四十余點、尚參考品として專門家の作品數點を陳列し頗る盛會なりし
△横濱みとり洋畫會にては幹事の熱心なる努力により會員既に五十名に近く本月十八十九兩日第一回展覽會を開く由