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『みづゑ』第三十七
明治41年5月3日
□本號の口繪はワツトマン六ッ切大に候
□本誌發展のため特別讀者を募り候處幸ひに同情を寄せらるゝ諸君多く此分にては遠からず毎號一葉の精巧石版を加へ得べしと樂しみ居候處この程本誌印刷所より物價騰貴のため職工困難を理由として組版印刷代等の値上を請求なし來り候
□印刷組合决議の上とあれば不得止事に御座候が斯くては折角集め得たる特別讀者よりの割増金は此方に填充せられ何等の發展も出來ぬことゝ可相成候
□此際定價を引上候事は望ましからずさればとて思ひ立ちたる發展策を中止するのも厭なれば印刷所の方の値上を充分切詰貰ふと同時に猶一層特別讀者の數を殖して此困難を切抜たき希望に御座候
□されば本誌の發展を望み且多少にても餘裕ある諸君は何卒本誌の特別讀者となりて斯道のため其力を致されんことを希望致候
■先頃美術同志會倶樂部有志の催しにかゝる洋風技術家追吊會の際配布したる『洋風美術家小傳』は、繪畫彫刻建築製版等の各先輩七十餘名の傳記を集め、故人の肖像二十有餘を寫眞版として挿入したるものにして、他に此種の書物なく、洋風美術今日の發達を知るには最も適當の珍書なるが、今回殘本百餘部を實費を以て希望者に頒つべし御入用の方は一部送料共全貳拾貳錢(振替貯金なれば登記料共金貳十四錢)を添へ春鳥會へ申込まれたし