紹介
『みづゑ』第三十七
明治41年5月3日
◎廣島尚古繪葉書第五輯
鮮明なるコロタイプ六枚一組にして、銀山の景、嚴島神社の釣燈籠、仝青磁塔、宮崎氏所藏の瓢、門田撲齊、菅茶山の像、洞文筆鷹の圖等を藏めたり(二十錢、廣島市革屋町、藤谷□○堂發行)
◎山岳第三年第一號
本號には奥の富士、羽後富士鳥海山、二荒のおちば、青梅街道より竹森山を越して秩父街道に出づる記、白崩山を登り駒ヶ岳を降る、黒部川及び高瀬川旅行記、白馬岳植物採集案内、加賀白山の裏山降り(北陸三山跋渉記)彦山の裏道等を藏め八葉の山岳アートタイプ及び幾多の寫眞版を挿み其他山岳に關する雜録雜報等を滿載せり、たゞ本號に於て小鳥烏水氏の紀行文を缺きしは少なからず吾人を失望せしめたり(一册三十五錢會費一ヶ年金一圓《年三回發行》牛込區新小川町二丁目二十番地城方、山岳會事務所發行)
◎奥村五百子言行録手塚益雄著
本郷西片町新婦人社
四六版百十二頁二十五錢
女傑奥村五百子女史の性行及逸話を殆と漏なく集録したるものにして、其言行は直ちに模範とすべからざる點多けれど、讀で面白く、其事業に熱心なる態度は紙面に躍如として、大に吾人を感奮せしむるものあり
◎世界一周
商業界の臨時増刊にして日本を除き全世界の都會及名所風俗等を多數の寫眞版にて示し、各種の旅行者の談話を滿載せり(一部三十錢、神田表神保町、同文館)
◎新潮八巻四號
近來大發展をなし此種の雜誌中出嶄然一頭地を抽けり、記事多方面に渉りて趣味饒かに活氣横溢せるを見る(二十錢、麹町土手三番町新潮社)
◎旭丸山晩霞筆
三枚一組の石版刷繪はがきにして富士、松島及白馬山頂の旭を藏めたり印刷上の出來は松島第一にして白馬は一萬尺の山上を想見せしむるに足る(一組十五錢、日本橋區通三丁目、松聲堂)