問に答ふ


『みづゑ』第三十七
明治41年5月3日

■一寫生に色鉛筆を使つては後の害になるや二研究所の夜の教授は何時間なりや(ko生)◎一害にはならねど色鉛筆は發色不充分なれば水彩畫の稽古には格別益を認めず二冬は午後六時より夏は午後七時より三時間■近眼者は洋畫家として成功し得るや(北海道一讀者)◎輕症のものは差支なきやうなり■筆のイヂケルのを避け、ノビノビして活氣あるやう描くには如何にせばよきや(京橋k、T)◎寫すべきものを充分見て、繪具を筆ヘタツプリ着け、大膽に畫けばよいので、筆を紙に着けながら屡々寫すべきものを見たり、又は一筆で塗れるところを幾度も繪具を運ぶやうでは伸々した活氣あるものは出來ぬ■イースト氏の寫生談に、景色を寫生する時空を後に描けとあり、かくすると不都合の場合少なからず、是非空は後にすべきものなりや(京都の人)◎イースト先生の所説は重に油繪のスケツチにつき立論せられしやうなり、水彩にては空を先にする方便利なる場合多し又調子を合せるため空を幾度も塗るもあり先に塗り中程に塗り最後に塗るのもあり其前後の如きは宜しく寫すべき景色によつて定むべく、理論に拘泥すべからず

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