紹介


『みづゑ』第三十九
明治41年7月3日

 發刊の辭に曰く『藝術界は一部の月刊雜誌として廣く凡ての藝術を網羅しその進歩發達を扶植することを目的とす、苟も藝術と稱する範圍に入るべきものは悉く此の目的に資せらるべきものとす。東西古今の既製藝術の研究は勿論、その種類を問はずその綱目を分たず一切を含めて一般社會に藝術の何たるかを示さんとするなり。黨せず興せざる是れ此の雜誌の起因なり、目的なり云々畫家に岡精一氏、彫刻家に荻原守衛氏挿畫家に戸張孤雁氏、文士に宮澤白楡氏、建築家に酒井祐之助ありて各專門方面に筆を執られ、小川未明氏も其編輯を助けらるゝといふ(一部十五錢、芝車町八十三、藝術社)
◎ロビンソン漂流記(通週俗文庫第六編)
 百島操氏の抄譯にして此有名なる物語りの内容を窺ふことを得べく譯文簡にして要を得たり(四六版八〇頁、定價二十錢、東京駒込内外出版協會)
◎女性と趣味丸山晩霞著
 再版漸く成れり、初版に比して表裝華美に過ぎ不調和の觀を呈せしは惜むべし
(定價貳圓、小石川久堅町日本葉書會)

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