研究所六月例會の寫眞説明


『みづゑ』第四十 P.22
明治41年8月3日

▲研究所六月例會の寫眞、起立せる分、右の方長髭の老人は鈴木眞氏にして、當年七十二歳にして孜々として水彩畫を學べる稀代の翁なり。柱を隔てゝ起てるは松山忠三氏、盛んな體度で正面に向いてゐるのが水野以文氏、一つ隔てゝ一番奥に居る洋服姿は丸山講師、其隣の洋服は河合講師、少しく隔てゝ起てるは大下講師、稍低く髭ある人は望月講師、其隣りは相田寅彦氏、左の隅は佐藤量氏にして、相田氏佐藤氏はレンズの中心を外れて顔が横長くなりたり。坐せる人にて、右の極隅頭だけ見ゆるは高橋松治氏、其前に大きく寫れるは鈴木一治氏、老人の下で正面を向ひて白衣を着けしは夏目七策氏、其前の井の字ガスリの大形の着物の主は岡田武彦氏、其後ろの柱に頭をつけたるは赤城泰舒氏、中央に坐せる肩揚の人の後ろ、右の方へ顔の三分一を出せしは大磯で海鳥を捕へし太田福造氏、同じく左の方に小さく半顔を示せるは鈴木錠吉氏にして、なほ左の方には讀者諸君御馴染の人も數人ありしがレンズに入らざりしは遺憾なりし。

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