水彩畫の紙(その一)
『みづゑ』第四十二 P.4
明治41年10月3日
畫學紙なら厚いのがよい、小學校の生徒などが使ふ、繪具の沁み込むやうなボテボテしたのはいけぬ、B印の六七錢以上のならよい。
水彩畫には普通のワツトマンが一番よい、アラ目といふのは初學の人には使ひにくい、小判のワツトマンは紙が薄いために、兎角膨脹して困る、水貼の時充分水に侵して貼らねばいけぬ、直段は普通のワツトマンよりは割合が高い。
OWといふ英國水彩畫協會特製の紙がある、洗つて畫くのに都合がよい、この紙はワツトマンよりは高價で、そして馴れないうちは使ひにくい。