丸山晩霞氏『女性と趣味』の一節
『みづゑ』第四十六 P.19
明治42年1月3日
雪を描くに、インヂゴー、バルト、レモンエルロー、カーマインは雪の色に使用し、ニユートラルチント、マダーブラウン、パンダイキブラウン、アイホリーブラツク、オリユーヴグリヱン、バントアンバーは、雪なき處の色に用ひる。雪を見ると、單に白ばかりて、他の色彩を見出す事が難いものであるが、最も明なる色と影とを比較して見れば、影の何色なるかを認める事が出來る。朝夕の日光の映ずるときは淡橙黄又は淡黄となり影色は紫となる事がある(丸山晩霞氏『女性と趣味』の一節)