寄書 尾瀬沼

浪華浪客
『みづゑ』第四十六
明治42年1月3日

 尾瀬沼といふ處が先生方の御紹介にて私共にもよく分りました繪を拜見してその絶景な場處を想像すると直ぐにもゆき度なりました、本丈を讀んで見て、私の尾瀬に焦れ尾瀬を慕ふ念は益々募りました。畫家未到の地、五夜の野宿的小屋住居何等の壯舉ぞや!それにつけても先生達の用意の周到なるには大に感服゜致しました、鉋屑の蒲團は如何、私もいつか必ずその上に寝て、先生方當時の旅行を忍ばうと思ひます、尾瀬ヶ原では末見の私も死んでもよい程美しい處として、毎夜夢に想像してゐます。私は改めて先生方のかゝる壯舉を敢てせられし元氣を喜び、其勞を謝するものであります、何卒此後もこのやうな臨時増刊を年三四回宛御刊行を願ひます。

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