便利なる包裝
『みづゑ』第四十七
明治42年2月3日
批評を求むるため送らるゝ繪畫の包装は、會友諸君に於て種々工風を凝らされることであるが、兵庫縣の桑田氏考案の分は至極便利に出來てゐる。
上圖の如き、あまり厚くないボール紙の一方ヘカンレーシヤを貼り、その方を表として紙を横に三つに折る、そして内部の中央上下へ八寸に四寸位ひの厚い紙を貼つて、それを折返して中の繪の出ないやうにする、三つに折つた表面の方の一部には春鳥會宛とし、他の部は、逆さに自分の名前を書く中央と表紙の兩端とに紐を着けて置く、そして會へ繪を送る時には會宛の方を表に出し、會から畫を返す時はその反對にするので、双方共手數が省けて甚だ便利である、詳しくは圖を見て案し給へ。