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『みづゑ』第四十九
明治42年4月3日

□口繪『小笠原島の春』は、昨年のこの頃丸山氏親しく島へ渡りて寫生せられしもの、枝より垂るゝ實はバナナにして、まだ熟さゞるものに候
□中繪の『尾瀬沼』は、昨年臨時増刊の際印刷の結果面白からざりし故、其代りとして挿入せしものに候
□次號の挿繪は、原色版に"Chance"と題するE.F. Brickdale氏の美しき人物水彩畫、及赤城泰舒氏の『沼津海岸』石版には相田寅彦氏の作を出すべく、他の挿繪は未定に御座候
  □特別讀者のうちにて、引續き第二期を約せらるゝ人多し、編者は其の御同情の深きを感謝致居候
□『みづゑ』殘本のうち第一より八迄、十より十三迄、及び十五、十七、二十、二十九等品切と相成候、第九、十四、十六、十八等は僅かに二三册を剰すのみに候、また第四十六(本年一月號)も殘部少なし、三十八號以前の分は十册以上の注文に限り一部十錢に割引せしも、遠からず撤回可致候筈、尚再版は容易に出來ぬ故、品切にならぬうち御注文ありたく候

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