ピラミツドは如何にして建てたか


『みづゑ』第五十 P.22
明治42年5月3日

 ビラミツドを建てる時あの大石を如何して運んだかと云ふことは誰にも分からない。いくら大勢の人足を使用した處で何か機械力を借らない譯には行くまいが。 一説には石を一階積上げると其の周圍に砂の土手を造り傾斜を緩にして其上を石を轉がして押上げる。それで次の一階が積上がれば又砂の土手を造つて行くからピラミツドが出來上つた時には全く砂の中に埋まつて居る。それから今度は又其砂を取退けると云ふ順序であるが。そうかとも思ふのは。チオプスの大ピラミツドを造るに十萬人の人足を三十ヶ年も使用し併も石を切出した場處は僅十町内外の處であつたと云ふのを聞いて合點がゆくのである。(欽、譯)

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