讀者の領分
『みづゑ』第五十一
明治42年6月3日
■夏期講習會開催地希望○東京附近を望む(山田世音、石水生、K、M、A、吉田あき子○青梅若くは八王子邊に願ひたし(飯島生)○毎年關西にては大不平なり、千葉縣下に開かれたし(芳川瀬音)○東海道大磯小田原邊(小田原中學生總代)○丹後宮津希望(神谷雪峰)○高野山がよろしい(四國三郎)○房州海岸に勝地多し村田生、來島芳松)〇九州に開かるゝなら大に盡力す(井上★)○和歌山縣内希望(南山生)○京都(北村生)○大阪(齋藤清治郎)○靜岡に開かれたし(靜陵生、汀舟生)■一 畫架の中古物譲受けたし二紫水生に問ふ携帯箱其他の相當代價を示されれし(脇田生)■大下先生の『國府津より』と『畫室』は樂しく讀みました、殊に畫室は談話といひ寫眞版と云ひ御膝元に居るやうで誠に嬉しく拜見いたしました(佐藤周子)■僕の編輯する『水彩鳥會』は繪に關する雜誌に非ず、御入會下さる人に往復ハガキで申込まれたら見本進呈(紀伴有田郡廣村渡邊氏方長谷川利行)■廣く諸君の眞面目なる水彩畫の交換を乞ふ、但折目なきを望む、返葉二日以内(大阪市北區蜆橋北詰蜆橋郵便局内齋藤清治郎)■山口の横道君、筑後の高巣君、和歌の浦の宮崎君、米澤の佐藤君、東京の後藤君、肉筆水彩繪ハガキの御送與を謝す、延引ながら僕のは御受取下さいましたか(紀伊はせがは)■未知の諸兄姉樣肉筆繪ハガキを御惠み下さい、拙畫ながら必ず御返葉いたします(米澤市免許町下一三〇八佐藤周子)■自筆水彩葉書の交換を願ふ、東京鹽島愛山君御返葉を願ふ(相州鎌倉長谷、堀谷紫海)■水彩畫油繪並びに風景靜物の水彩繪ハガキ交換希望(福井縣丹生郡吉野小學校内梅田正義)■『みづゑ』所載の原色版挿繪水彩スケツチ等、初學者の六め色彩の親明な希望す(三河、夕暮)◎特に臨本として畫きしものにあらねば説明は難し■洋畫講義録一號より七號迄希望の方へ安價に譲る、汚目なし(長野市花咲町十一、齋藤龍一)『女性と趣味』一册、織田氏『水彩畫法『一册、三宅氏『彩畫臨本』八册、三十六枚、同氏墨繪講話』一册、同氏『水彩畫集』第二六枚、同氏『水彩畫帖』第一輯一部(一册及六枚)、同氏水彩畫臺紙付六枚、和田氏『水彩畫法』六枚以上譲渡したし御照會を乞ふ(三河三好、野々山彦太郎)■前號短評、口繪の『チヤンス』は意味深長で氣に入つた、荻原先生の『解剖學』よくわかりました、多謝、大下先生の『靜物寫生の話』あとをドシドシ願ひたし、榕村主人の色彩の對照』は有益、赤城先生の沼津の海岸』にスケツチとして敬服、大下先生の『白馬會評』これは小生見物せぬ故當否は知らず、同先生の『畫室』に目に見えるやうなり、その寫眞版も結構、其他研究所の方々の『春季寫生會』の記事は讀んでゐて尻が据らぬ、小生も早く東京へ往つて諸君と共に樂しく勉強したい、寄書のうちではKY生の『日記』が面白かつた、忘評多罪(田舎男)■繪葉書競技會を再興せられたし(一紅)