問に答ふ


『みづゑ』第五十三
明治42年8月3日

□一 獨りで研究して出來たものを先生の處へ持參して見て貰ふのと、研究所へ入るのと何れが早く上達しますか二 洋畫の一通りを研究する順序、初めは何終りは何を習つたら、畫道を一通研究したと言ふことが出來ますか三 青梅に於ける講習會の記事は『みづゑ』何號にありや(日本橋和輝生)◎一 獨習は萬止むを得ざる人の取るべき手段なり、研究所に於て正則の教育を受くるに如かず、其遲速の差の如き到底比較にならず二 鉛筆若くは木炭が始めなり、油繪水彩パステル等が出來たら一通りの技術は修めたりといふ事を得べし三『みづゑ』十七十八等にあり、何れも本會には品切■一 『みづゑ』五十號の『畫室のうち』の老人其他の人の名を問ふ二 同三十八號林威三氏筆の風景は何處なりや三 洋畫、に關する書物は研究者として是非讀まねばならぬものにや(鉛筆スケッチ生)◎一 老人は鈴木氏、青年は森島氏、婦人は竹内嬢なり二 愛知縣下なれど場處は不明三 必ずしも讀むに及ばず、理論よりも實行を先にせよ、讀んで益ある書と無益なるものとあり選擇を要す■『みづゑ』五十の口繪、CHANCEの意味を問ふ(周子)◎蒲公英の實を吹いて居る圖にて、こゝに現はれたる他に何の意味ありや不明■肉筆水彩畫を借受くるに、會友規定に五圓の擔保金を要すとあり、『みづゑ』會告には貮圓十錢とあり、何れが信實か、これは僕のみならず多くの會員諸君も迷ふ事であらうにと思ふ、幹部諸先生の御考いは?(北海の迷子)◎迷ふのは君たゞ一人ならん、會告にある頒つといふ文字は譲るといふことで、貸すといふ意味更になし■ 一、美術新報、二日本美術、三美術學校々友會月報の定價發行所(石川義春)◎一は定價五錢毎月二回東京本郷湯島切通坂上畫報社、二に二十五錢毎月一回本郷駒込富士前町日本美術社、三は非賣品■ 『みづゑ』特別號として旅行のみの分ありときく、何號なりや(AB生)◎第六は『赤城の旅』、第十四及十六は『飛騨紀行』、第三十六は『小笠原紀行』、第四十四は『尾瀬紀行』、第六を除き他は殘本あり

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