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『みづゑ』第五十六
明治42年11月3日

□本號口繪『町のスケツチ』はワツトマン八ッ切大にして、神田秋葉原附近より駿河臺方向を見たる圖にて研究所九月例會の受賞畫に御座候。
□中繪原色版『ヴエニス』の朝は、ラスキン氏の稀なる畫の一にして、氏の山岳論と對比して見る時は意味一層の深きを加べ可申候。
□石版『泊り船』は、越後出雲崎に於けるスケツチの斷片に御座候。
□近來本誌の愛讀者増加し、毎號月末には品切と相成候につき、前金切の諸君は、可相成次號発行前に御拂込被下度候。再版は挿繪の都合上到底不可能につき、一度御求め損じに相成候へば、再び容易に手に入けがたき事と御承知有之度候。
□會友諸君にして、直接『みづゑ』御購讀なき御方有之候、右は規定にも違反致し居、且割引券其他御配布申止候便宜も無之候故、至急直接購讀の御手續なし下されたく候。
□曾友諸君にして作品返送料な送られさる方あり、右は必ず一々御送り下されたく候、なほ開き封の中へ、郵券を入るゝことは規則違反と御承知ありたく候。
□會方徽章は、製造元の都合により常分御頒ち致兼候、就ては徽章代御拂込の方は『みづゑ』誌代に相廻し候間御承知置下されたく、出來の上は改めて御報告可申上候。
□『問に答ふ』欄に、質問を寄せらるゝ諸君のうちには、既に一二ヶ月以前に答のあるものを問はれ、又は自己が僅かの勞力にて解かるべきことを態々間はるゝもあり、元來此欄は、重に水彩畫の技術方面の質問に答ふべく設けしもの故、それ以外のことはなるべく差扣られたく、たゞ一個人のみにて、一般に何等の利益なしと認めしものは御答なさぬことも可有之候。
□また各學校の規則等を間はるゝ人あれど、是等は直捜郵券を送つて、其所要の學校より規則を取寄せらるゝ方が、早くして且利益なるべく候、また誌上匿名の筆者の本名を問はるゝ人あり、これ等は御答なしがたきものと御承知ありたく候。
□『讀者の領分』は、其名の如く諸君の自由に使用するに任すべく候へ共、これとて可相成廣く益ある様に致し度く、『誰某さんハガキは着きましたか』の如きは、爾來御免を蒙り度候。
 口『みづゑ』第一より二十一迄及び二十九、五十、五十二、三、四、五は品切に御座候。

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