讀者の領分


『みづゑ』第五十七
明治42年12月3日

■スケツチ交換を望む。水彩畫持ち合せあり美術雑誌と交換したし。本年の終刊に臨んで幾多の利益と幾多の新知識とを習得したる乙を深謝すると共に今後益々向上發展せられん事を期して止まざるもの、讀者諸君幸に健全なれ(松本市宮淵忠地英雄)■今秋文部省展覽會諸先生の出品畫は原色版となして順次掲載叶ふまじきや(イナカ者)■肉筆水彩畫葉書交換希望、返葉迅速(尾道市坊地山路修次郎)
■洋畫講義録全部譲る、次に『みづゑ』四十號より四十五迄六鮒僕が出すから太田三郎氏著『スケツチ畫法』と交換を乞ふ、次に繪ハガキ交換希望(長野縣下高井郡、往郷村三五四山田直一郎)■『女性と趣味』定價半額にて譲受けたし着本次第送金、又は吉田博氏『寫生旅行』『光風』四ノ三と交換を望む(福井浪花上五、天井)■『孤雁挿繪集』、『水彩畫譜』、『みづゑ』御入用の方に大廉價譲與す(下關市東南部町藤井直二郎)■日本橋MCNMT様御返葉を乞ふ、次に皆様方ま不相變肉筆繪葉書を御めぐみ下さい(米澤布免許町下一三〇八佐藤周子)■小形の油繪箱(文房堂製)安價に譲る直接照曾を乞ふ(鳥取市茶町森本利三)■『方寸』本年度分肉筆水彩繪葉書御送りの方に呈す、但し粗なるもの匹は返送せず、一葉一册のこと、引續き肉筆水彩繪葉書交換を乞ふ(尾道市久保町山路邦太郎)■『みづゑ』十一號より三十號迄及び六號一二銭内外にて至急譲りたし(横濵市南太田町二二三二臼井不朽生)■業務多忙の爲め新に購入せし十六切スケツチ箱(二圓三十銭の品)不用につき廉價に譲りたし、頗る新しきものなり(札幌北四條西十一丁目小島義男)
■ワツトマン十六切スケツチ箱、筆洗、水筒、畫架、三脚、畫嚢、油繪スケツチ箱、全繪具の筆、安價に譲る(愛媛縣宇摩郡寒湘川村妻鳥律太)■相田寅彦氏の「森」が文部省美術展覽會に褒状を受られたと聞き、その會友たる自分は何だか喜しく、感じた『みづゑ』五十六號の挿繪を一寸、「町のスケツチ」は外國の市街かと思つたラスキン先生の繪には驚いた、高い空廣い海小生等には何とも言へない、大下師の海岸を原色版にせられたらと思つた、鎌倉スケツチは面白い、時折こんなのを載せていたゞきたい(脚戸、津川)■『みづゑ』第一より第五十迄(折目なし)譲りたしとい人あり、望の方は買受價格を記し往復ハガキを以て本會へ照會されたし(春鳥會)

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