會告


『みづゑ』第五十八
明治43年1月3日

■水彩畫に關する意見、展覽會、寫生會等の報導、其他美術に關する小品文等の投書を募る
■寫眞版として挿入すべき鉛筆畫、一色畫、水彩畫等の寫眞若くは繪畫を募る
■中繪として挿入すべき石版三色以内の圖案及び繪畫を募る、但し繪の大さは各號の本誌を見られよ
■丈章は一行二十字詰にしてなるべく簡單に字體明瞭に認めらるべく、假名は平假名に限る
■質問は水彩畫に關する技術上の事項に限る
■『讀者の領分』投稿はなるべく一般に利盆ある問題に限る、個人間の應答』の如きはお斷り
■以上編輯〆切は前月十日、但中繪は前々月中に送らるべく且その發表の月の季節に適せしものを望む
■投稿の注文書其他と同一紙に認むべからず
■投稿の繪畫及丈章は一切返戻ぜず
■投稿の繪畫及丈章にして本誌に登載せしものゝうち優秀なる作に對しては小水彩畫一葉を贈るべし
■初學者のために當分肉筆臨本を頒つ○肉筆臨本に一枚に付送料共金貮圓拾錢○圖柄及び畫幅の大小を指定する事を得ず○着金後二週間以内に送附すべし
■日本水彩畫會々友規定並びに同研究所規定は往復はがきにて本會に申出あれば送呈すべし
 以上
 日本水彩畫會々友假規定一本會は水彩畫の發逡及び普及を目的とす一本會の趣旨を賛するものは何人と難も會友となる事を得 ,一會友は自己製作品の批評を受くることを得べし批評は一ケ月一回三枚迄○作品には其裏面若くは別紙に寫生の月日、時間、其日の晴曇其他必要の説明及自己の姓名を明記すべし、是等の記入なきものは批評せず○作品は板紙に挿みて送るべしなるべくは桑田式な便利とす、巻きて送るものは其儘返送すべし○毎月二十日迄に送らるれば翌月十日迄に返送すべし○作品と同時に相當返送料お送らるべし、但一時に數回分納附するも妨なし一會友の作品は鑑別の上本會展覽會に出品することを許す一會友には本會の出版物を實費にて頒つべく其他本會と直接關係ある出版物の類は割引價格を以て頒つべし一會友にして本會研究所又は講習會等へ加入 する時は特別の待遇だ興ふべし一會友には一年數回本會特約彩料舖の物品代 價割引券を贈るべし一會友の望により一枚につき金五圓以上の擔保金を納むる時は本會幹部諸員の肉筆水彩 畫を貸與すべし 貸與期限は二週間○圖柄及筆者を指定する 事を得ず○逓送其他の實費として一囘につ き金五拾錢を前納すべし○擔保金は繪畫歸 着後二週間以内に返戻すべし○貸與ぜし繪畫に損傷紛失等ありし時は擔保金を没収し 價格に不足を生ぜし時は追徴すべし○貸與請求は毎月二十日より三十日迄とす一會友たらんとする者は入會證書、履歴書に 記名料金壹圓を添えて申込むべし 入會證の用紙に半紙に限る〇文面は適宜な れども必ず捺印を要す○履歴書には住所身 分職業姓名年齢及學歴等を明記すべし一會友に當分會費を要せず一退會せんとするものは其理由を明記せし届書を出すべし但記名料等は返却せず一會友は雜誌『みづゑ』直接購讀者たるベく『みづゑ』の購讀を中止せし時は退曾と見做す一會友は各自技術の進歩を努むると同時に、品性を高むる事を心掛くべし本會は温良なる紳士淑女の集合に成れる品格ある一團體として社會に立たんと欲す、故に會友は技術の進歩よりも寧ろ品性の修養に重きを置かれたし一會友に關する一切の事務は、東京小石川區關口駒井町大下藤次郎方に於て取扱ふ〇會友よりの郵便物類も總て同所宛たるべし以上明治四十年十一月日本水彩畫會

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