近事


『みづゑ』第五十九
明治43年2月3日

△日本水彩畫會研究所一月例會に、新年會を兼ね、二十三日午前より開會配正午 前繪畫の陳列を終り、午後より會員の餘興十數番あり、各自充分に歓を盤じ夜に入つて散會したり、詳細は次號に
△太平洋畫會新年會は、一月十五日下谷 區谷中眞島町なる同會研究所に於て催されたり、本年は研究所創立五週年に相當 するを以て、關係者及各新聞記者を招待し、盛なる餘興あり、夜十二時散會したり
△日本水彩畫會研究所横濱支部にては、 九日横濱に於て新年會な催ふし、來賓及會具合せて二十五名、福引及び種々の餘興ありて午後九時頃散會したり、猶同支部の田中太郎吉氏は成績殊によく、今回特待生の待過を興へられたり
△日本水彩畫會研究所の會員たりし、藤田紫舟深川勇雄氏等主唱となり、日本水彩畫會關西支部を設くべく專ら盡力中なり、趣意書は左の如し
 日本水彩畫會關西支部 創立廣告
 斯道の老大家淺井先生逝きく以來、關西の水彩畫界振はざるもの久し、生等竝に决する處あり、東京本部の讃諾を徑、敢て同好の諸兄姉に謀つて當支部を創始し、以て尚き趣味と樂しき技術の向上に資せんとす、専門家と否とを間はず、パレツトに親しむの人にして眞面目に水彩畫を研究せんとする諸君、願くば生等の學を賛し、筆を提げ て來り會せずや。發起人
 追て當分事務所を左の處に置く有志の諸君は郵券二銭封入當事務所宛申込ま れたし。
 近江國膳所町字錦木ノ下藤田紫舟宅

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