紹介


『みづゑ』第六十三
明治43年6月3日

◎色彩新論、東陽堂發行、洋装菊判百二十餘頁定價金七十銭
 故田口米作氏の遺著にして、神東淳氏の増訂になり、金子末松秋元三子爵の序文あり。まつ色彩に關する理論を説き、配色の比較調和を述べ、實例に徴して説明すること極めて詳。挿総は何れも石版色刷にして、十數葉の多きに達せり。色彩に關する著書少く、從つて斯道の知識乏しき現今に於て、此書の如きは、學者を益すること甚だ大なるべし(特約賣捌所京橋區南鍋町二ノ三、日曜新聞社代理部)
◎畫集第五輯東京寫眞研究會第一回
 展覧會の畫集にして、本編には人物畫六點風景畫九點を攻めたり。風景畫には、關口氏の『晩秋』萩生田氏の『冬の夕暮』鈴木氏の『傾く月影』等情調共に佳(四六倍判六十銭日本橋區本町小西本店發賣)
◎志賀の湖第一巻第一號一部七銭、近江八幡町志賀文藝社

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