紹介(その二)


『みづゑ』第六十三
明治43年6月3日

◎夢二畫集花の巻目下雜誌の挿繪界に流行見と謡はるゝ竹久君の木版畫を集めしもの。未醒の澁味なく、芋銭の剰逸なく、成美の品位なけれど、華やかにして落筆巧みなれば、現代一部の青年男女に歡迎せらることならん。此集は二三色刷の木版數葉をも加へ、製本また美なり(定價四十銭麹町二丁目洛陽堂發行)
◎太平洋畫會畫集昨今開會中の同展覽會作品四十九點を集めたり。例年の分に比して印刷極めて鮮明、體裁また頗るハイカラなり。地方に在て、東都畫界の傾向を知らんとする人には必需の書なるべし(定債八十銭本郷區眞砂町三八高尚堂發行)

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