名家談片


『みづゑ』第六十四
明治43年7月3日

 繪でも彫刻でも、それを陳列して人に觀せるために展覽會といふものがあるが、其會場の一區劃は、繪の大きさに比例した適當のものでなくてはいけぬ。大きな繪が小さな室に在るのもいけないが、小さな繪が大きな室に並んでゐるのもいけない、水彩畫の如き殊に其感が深い、まアワットマン四ツ切以下の繪なら陳列場に十坪位ひの處がよい。
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 今度の太平洋畫會に、アンリーマルタンの繪が一枚來てゐる。繪は一枚で、しかもマルタンとしてにあまり傑作の方でもあるまいが、失禮ながら此一枚と、太平洋畫會出品の全部と秤にかけたらドツチが重いかなアハ、、、、

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