讀書の領分
『みづゑ』第六十六
明治43年9月3日
■『みづゑ』五週年を祝し、紀念號の内容の豫想外に立派なりしに驚き、同時に先生の御盡力の一方ならぬを感謝致候(廣島KT生)■『みづゑ』五周年を祝す(廣島、淡島五六、大阪、呉吉三、赤心生、關西の好畫生、原田兵三、一紅、山形TT生、北海道の一寒生、北山清太郎)■祝『みづゑ』五岡年、紀念號大下先生の所感といふ文を見て、吾々は技術の進歩を務むると共に人格を益々高くせざるべからず(呉市今井哲三)■紀念號大冊お骨折奉察候、雜誌の値上け賛成、紙數を増したり何もかもとの註文多きは私は不賛成、毎號二三葉宛大下先生の原色版と多少の講話があれば滿足に候、次に『三脚物語』は面白く拜見引續き御掲載願上候、試に他人に讀ませしに皆々快哉を叫ひ申候(圭五郎)■口繪の原色版に時々果實類の寫生を拜見したし、果實の色やバックのや敷物の皺等研究いたしたし(高原生)■地方にある回覽畫帖をお知らせ下さい、そ,して私も御仲間入りをさせて下さい、次に肉筆繪ハガキ交換を切望いたします(大阪北區本庄横道町一一五八鷲尾吾一)■『みづゑ』の原色版が三葉になつたのは嬉しい○夏期講習會は來年にほ是非當地で開かれたい○大阪北區上福島北一丁目に水彩畫木炭油繪教授所といふ札がある、洋畫も賣るさうだ、教授は夜分で、東京美術學校出の熊谷自然兒といふ人が先生だとの事(大阪富岡生)■讀者諸兄姉樣と肉筆繪ハガキ交換を願ひます(兵庫縣津名郡生穗村木村公平方、糸子)■七月號に口繪や寫眞版を巻頭に集めるといふ註文があつたが余は不賛成、丁度展覽會などで所々に盆栽を置いて觀者の眼を休ませるやうに、本文中に挿入のあるのは大に滿足だ(北海道の荒熊)■會員諸君と肉筆繪葉書交換希望、拙畫返葉不遅(兵庫縣津名郡生穗村西岡記五郎方、順次)■八月號の丸山先生の藪は、吾々が初めての青梅講習にて、先生は吾々十人ばかりを引つれ、是から教授的に畫くから見て居たまへと云ふので、三時頃から五時ごろ迄にピタピタと健筆を縦横に走らせて出來上つたものだ、只説明にある通り、少し黄が足りないので趣が相違して居る(汀煙)■久し振で出た『靜物寫生の話』は再讀した、ロイヤルアカデミー展覽會は六ヶ敷て了解しまぜんでした、榛名湖、肖像畫法共に面白く、畫では空の色が肉筆を見るやうなので『夏の山村』が一番好きてした○肉筆繪ハガキ交換希望、即日返葉(大阪市北區上福島町北一丁目八十五ノ一、富岡洗帆)■夏期講習が廣島にないのを失望したのは、私共同志六名のみではありますまい、希くは來年は當地に開かるゝやう、幹部諸先生及廣島の篤志家に願びます(廣島住人)(住人)■情けないね廣島地方の諸君、夏期講習會も昨年からのお話だか御沙汰止み、あゝ廣島に一つでも有力な講習所なり支部なりあつたなら開會されたらうに、廣島に審力する人は居らんのか、あゝ(廣島市外横川、神田周三)■旅行中の傑作なるペン畫、水彩畫、色鉛筆畫の肉筆葉書の交換を乞ふ(相模鎌倉長谷、堀谷一郎)